鳥と魚と僕とポーク

実るほど頭を垂れる稲穂かな

村田沙耶香著:「殺人出産」を読了

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以前村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読んでからというもの村田さんの世界観にとても魅了されてしまった僕です

 

spawn.hatenablog.com

 

小説はあまり読む方ではないのですが

偏見なくどんな本でも読んだ方がいいなと思い小説も読むようにしています

たまたま出会った「コンビニ人間」の世界観がとても面白く村田さんの他の作品も読んでみたいと思い購入した一冊です

 

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本書は4作品が入っているいわゆる短編集的なジャンルになるのかなと思います

 

ロリポップ公式サイト

ネタバレなしルールなので簡単で稚拙な文章ですが1作品ずつご紹介したいと思います

 

「殺人出産」

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「トリプル」

カップルからトリプルへと恋愛の形は変化しつつある日本という設定

“トリプル”というのは文字通り3人での恋人関係ということです

そのトリプルが一般的になる世の中で主人公の友人は敢えて“カップル”という選択肢を取っている

カップルとはどういうものなのかを見た主人公はどう感じるのか

 

「清潔な結婚」

多様な社会が認められつつある世界

結婚というものに対しても様々なスタイルが認められた

“清潔な結婚”を選択した夫婦

“清潔”な夫婦関係を約束した夫婦の中で“子供”という存在を求め始める

 

「余命」

医療が発達しこの世から『死』がなくなって100年

老衰も事故死も他殺も技術の進歩によりすぐに蘇生できるようになった

“死を選ぶ自由”というものも存在して

誰でも自分で死を選ぶ世の中になった

 

どの作品もSF的な近未来のストーリーとなっている印象です

近未来的でありながらどこか現代と重なる部分もあるようなそんな内容でとても面白くスラスラと読める作品ばかりでした

 

何より「コンビニ人間」でも感じたことですが

発想力がとても面白いなと感じます

「こういう発想もあるのか」

というような僕の中には全くない発想でとても面白い作品です

 

僕自身小説をあまり読まないので他にもこういった作風の小説家の方はおられるのかもしれませんがとても独特で尖っている印象です

 

村田さんの作家仲間からは『クレイジー沙耶香』と呼ばれているそうで

そう呼ばれる由縁がわかるような作品でした

 

ストーリーはもちろんですがその設定が本当に面白くてぜひとも読んでいただきたい一冊です

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