鳥と魚と僕とポーク

実るほど頭を垂れる稲穂かな

大阪府の淀川に突如現れたマッコウクジラ。今日は海に生息する動物の中で好きな魚の一つ『シロワニ』をご紹介。

世界の海 サメの海 シロワニ

先日大阪の淀川に突如マッコウクジラが現れたという事が話題になりました。

しばらくは海上保安庁が観察をしていたようですが、先日死んでしまったようです。

 

spawn.hatenablog.com

 

クジラを生で見るという事は結構難しい状況ですが、まさか身近な川にクジラが入ってくるなんて思ってもいませんでした。

 

残念ながらマッコウクジラは死んでしまったようですが、今回はそんな海洋生物に関して少し書きたいと思います。

 

僕の一番好きな魚は「ロウニンアジ」なのですが、ロウニンアジと並ぶぐらい好きな魚類が今回紹介する『シロワニ』です。

 

シロワニ  

顔面凶器のシロワニ

 しながわ水族館 シロワニ

いかがでしょう。

この超いかつい見た目。

人食い鮫と言われる「ホホジロザメ」に匹敵するほどの顔面凶器っぷり。

もし海を泳いでいた時にこんな鮫が近寄ってきたらパニックを起こしてしまう事でしょう。

 

今日はそんな顔面凶器のシロワニについて少しご紹介したいと思います。

 

シロワニはどんなサメ?

シロワニ

シロワニはネズミザメ目シロワニ科に属するサメです。

元々はオオワニザメ科という科にいたのですが、2020年の研究結果によりシロワニ科へ変更になりました。

 

シロワニという名前を見ると

 

「なぜサメなのに”ワニ”なの?」

 

という疑問を持たれる方もおられるかと思います。

ワニは漢字で「和邇」と書きます。この和邇はサメの別名です。

「白い和邇」ということで『シロワニ』という名前になったようです。

別に白くはないんですが、白っぽいっていうことでシロワニだそうです(苦笑)

 

生まれた時は約100cmほどで生まれて2mほどで大人になります。

最大で全長3.2mのサイズが記録されています。

体重は約160kgほどになるそう。

 

生息域は、波打ち際から水深200mほどの浅海に生息していますが、よく見られるのは水深15~25mぐらい。

 

活動するのは夕方からで昼間は岩陰などでじっとしてることが多いです。

エサはサメやエイを含む魚類、甲殻類、頭足類です。

 

分布は西太平洋、インド洋、大西洋の温熱帯海域。

日本では伊豆七島小笠原諸島など南日本の海域に分布しています。

 

体系は流線形でいわゆる「サメ」という体系をしています。

背中は褐色から灰色でお腹は白。(この辺も白和邇の由来だと思います)

幼魚の時は薄い斑点のようなものが見られることもありますが、大人になるにつれてなくなっていきます。

口(ふん )は少し平たい感じで、大きく常に半開きになっています。

歯は画像のように牙になっており、奥まで牙が連なっていますので、これが顔面凶器たる所以の一つでもあると思います。

 

シロワニは生まれた時から生存闘争が始まる

Carcharias taurus

シロワニが属するネズミザメの仲間は子ザメが子宮内にいる間、母ザメの排卵した卵を食べて育ちます。(これを卵食といいます)

 

ですが、ネズミザメの中でもシロワニは例外です。

妊娠初期の段階の子ザメはすでに牙が生えていて、子宮内に発生した子ザメたちがお互いに共食いを始めます。

これは「子宮内共食い」と呼ばれます。

兄弟姉妹である子ザメ、あとから子宮内に排卵される卵を食べてそれを栄養に変えて、最後にはひとつの子宮内に1尾の子ザメしか残らない*1というとても生存闘争が凄い世界を生き抜いています。

 

サメが一度に生む子供の数、卵の数は数尾、または数個から多くても数十程度です。

「数うちゃ当たる」作戦で多くの卵を産む「硬骨魚類(一般的な魚類)」と対象的に、少数だが生存力の強い生存戦略を取っていますが、その中でもシロワニ生存戦略方法はかなりイカツイ感じです。

 

これは、母ザメの体外に出る前から弱肉強食の世界を生き抜くことで強い個体だけを世に送り出してその個体が生き残ることに賭けるという生存戦略だと思います。

 

 

実はとってもおとなしいサメ

_DSC9126

何度も顔面凶器と言っていますが、性格はとても温厚です。

国内ではこちらから手を出さない限り、これまで人を襲ったという報告は一度もありません。

 

このような性格なので、「巨大な子犬」と呼ぶ学者もいるそうです。

 

大人しい性格ということで、小笠原諸島などではダイバーの間でも人気が高い。

飼育しやすいサメとして全国の水族館でも見ることができます。

 

外見で判断しすぎるのはよくない

 

僕がシロワニを好きな理由はここです。

これだけイカツイ生存闘争から生き抜き、”サメ”というだけでも怖がられる上に、見た目もこれだけ恐ろしいサメなのに「大人しい」というところがとても好感が持てるんです。

 

何より大人しいという部分がいいなぁと。

結構好戦的な動物の方が多いと思うんです。やっぱりそれは生存本能的な部分もあって攻撃を受けないために攻撃を仕掛けるというような感覚というか。

防御のための攻撃というか。

 

それは当然種の保存のために大切なことであるのですが、カピバラとかナマケモノとかもそうですけど、その中でもサメというジャンルの中で「自分から攻撃しない」というスタンスがいいなぁと。

 

何となく人間にも近い部分があるんじゃないかなと思ったりもするわけです。

外見で判断するのではなく、中身をきちんと知るということも大切だと。

(もちろん第一印象というものもありますから、外見も大切だと思います。)

 

ただ、ヒゲが生えているからとか、ロン毛だからとか、タトゥーが入っているからとかという外見だけのイメージでその人のことを決めてしまうのはあまりにも偏りすぎじゃないかなと思ってしまうわけです。

 

そんなこんなでシロワニも実はいいサメなんだというイメージを持ってもらえたらいいなぁと思いご紹介させていただきました。

 

 

全国でシロワニが見れる水族館

最後に全国でシロワニが見れる水族館をご紹介したいと思います。

 

現在は飼育を辞めてしまった所もあるかもしれませんので、もし見に行く場合は事前にサイトや問い合わせなどで確認してからの方がいいかもしれません。

 

下記に三重県鳥羽水族館で撮ったシロワニの画像を貼っておきます。

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もし興味のある方は迫力のあるシロワニを見に行ってみてはいかがでしょうか。

悠々と泳ぐ姿を見るだけでも結構迫力あります。

 

*1:サメのメスは子宮を2つもつので、1尾のシロワニの母ザメからは最大2尾の子ザメが生まれます