鳥と魚と僕とポーク

実るほど頭を垂れる稲穂かな

残業時間月200時間。トラック運転手が過労死という恐ろしい運送業界。僕も運送業界にいたことがありますがなかなか…

みんなの生活を陰で支えている仕事の一つである運送業

大きな資材から小さな荷物まで、様々なものが毎日どこかに運ばれています。

 

ネットで買い物ができる便利な世の中になりましたが、その裏側まで考える人はあまりいないかと思います。

 

楽天などである翌日に届く『あす楽』。

あれは近くの倉庫に在庫があるからいつまでに注文してもらえれば明日お届けできますよーというシステムです。

 

ですが、在庫は自動的に増えることはありませんから、また新たに在庫を補充する必要があります。

その在庫を補充するためには運送してもらう必要があります。

 

実は昔トラックの運転手をしていた経験もある僕なので、運送業界のことは少しだけわかるつもりです。

とは言いましても4トントラックなので、近隣を走るだけ。

東京から福岡とかそういった長距離ではなく所謂「地場」と呼ばれる範囲しか走ったことはないのですが、それでも結構な拘束時間でした。

 

パレット

僕は軽いものがメインでしたので、力仕事的な部分はほぼありませんでした。

お酒を運ぶということもありましたが、カゴ車と呼ばれるものに積んであったりパレットに積んであるものをフォークリフトでトラックに積み込んでフォークリフトで卸すということがほとんどだったので、手積み手下ろしというのはほぼほぼありませんでした。

そういった部分での体力的負担というのはなかったのですが、卸場所によっては1日に走行距離として500km近く走ることもあるため、長時間運転による腰痛を持っている方がたくさんいました。

 

最近ではATのトラックも増えてきているそうなのですが、僕が勤めていた会社はMT車のみでしたので渋滞などに巻き込まれると左足が攣りそうになることもしばしば。

 

ですが、一人の時間が多いので気分的には楽だったのでその点ではとても楽しく仕事ができました。

 

今回の話題になっている残業時間についてですが、長距離ではありませんので数日自宅に帰らないということはなく、毎日自宅に帰れてはいたのですが、先ほどもお伝えしたように「渋滞」というものに巻き込まれてしまうと、帰社時刻がどんどん遅れていきます。

他にも渋滞ではないけれど、道路工事などで迂回しなくてはならないなどということもあったりでその時の状況によって時間は大きく変動することはありました。

 

一番辛かったのは、朝6時にセンターを出発したのですが、その日は大雨。

高速が通行止めになり、下道は渋滞まみれ。

結局1件目の納品先に到着したのが午後4時ということがありました。

その日は全部で4件回る予定だったのですが、結局1件しか回ることができずそのまま他のセンターと会社に事情と状況を連絡しその日は積んだまま帰社して、明日の便で再出発するという流れになりました。

 

しかし、そこから帰社するまでもかなりの渋滞だったので、結局会社に帰ってこれたのが午後10時頃でした。

 

結局16時間ほど車に乗りっぱなしという状況であの日はかなり辛い経験になりました。

 

近場を回るだけでもこういったことになる可能性があるため、長距離ともなるとさらに酷いことになる可能性が高いです。

 

どういった状況でもなんとか荷物を運ばなくてはいけない。

お客さんが待っている。

という状況ですから、なかなか大変な仕事です。

 

もちろん扱う荷物や会社にもよるので、全ての会社がそうだとは言いませんが、それでもやっぱり運送業というのは大変なお仕事だと思います。

 

そういったことに輪をかけて「免許問題」というものもあります。

免許の取得が細分化されたことで、本当にトラックに乗りたいという人でないと中型免許などを取得しなくなっているんじゃないかなと思います。

会社が免許代を支給してくれる運送会社がほとんどだと思いますが、それでも「トラック運転手ってしんどそう」というレッテルはかなり根深く浸透していると思います。

 

僕が働いていた時でもなかなか人が入ってこないという話は聞いていましたし、運送業界はかなり苦しいんだと思います。

 

もっと分担や分散できればいいのでしょうが、なかなかバランスが上手くとれないというのが現状だと思います。

 

列車や船などを活用したとしてもやっぱりトラックで運送するということはそこまで大きく減らないと思います。

むしろネット社会が加速するにつれてどんどん圧迫されてくるのではないかとさえ思ってしまいます。

 

d払いポイントGETモール

自動運転技術がもっともっと進化し確実に安全を担保できるようになれば、ドライバーさんの負担も少しは軽減できるのかもしれません。

 

いずれにしても過度な業務はできるだけ減らして行けたらいいなと思います。

これは運送業界だけでなく、どの業界でも言えることですが。

 

運送業や製造業などはどうしても残業ありきの業種なイメージが強いです。

お給料としても残業しないと給料が少ない。という話もよく耳にしますし、昔からある「残業して当たり前」という日本の悪しき風習というか、そういったしがらみは当分消えそうもありませんよね。

 

ましてや物価が上がっているけど、お給料は上がらないという現状ではさらに悪循環な気がします。

 

いずれにしても何とか働き方改革を”いい意味”で厳しく扱ってもらえたらと思います。