最近、この本を読んでると過去の記事に書きました。
昔話をベースに
「桃太郎が犬、猿、雉に使ったきびだんごは経費として通用するのか?」
「分福茶釜のタヌキは器具備品扱い」
だとか
「鶴の恩返しの鶴が織っていた場所は作業場」
などなど
タイトルだけみるとバカバカしい感じに見えますが、これがかなり面白いです。
まぁ本の内容は以前の記事を読んでいただくとして。
それよりも元々の昔話のストーリーが今読んでみると意外と驚愕だなと思いました。
姥捨山(うばすてやま)
昔、ある国では、年寄りを山に捨てさせる掟があった。なんでも、年寄りは国の役に立たないという理由で、皆六十一歳で山に行くことになっていた。
そんな国の片田舎に、おっかあと息子が住んでいた。おっかあは生来元気であったが、明日にはとうとう六十一歳を迎え、うばすて山に行かねばならなかった。
息子は仕方なく、翌朝早くにおっかあを背負子(しょいこ)に乗せると、重い足取りでうばすて山に向った。
やがて山もだんだん深くなり、うばすて山が近づいた時、息子の背後から「パキッ、パキッ」と枝を折る音が聞こえてくる。おっかあは、息子が帰り道で迷わないように、道しるべに枝を折っていると言うのだ。これを聞いた息子は、おっかあの親心を感じ、胸がいっぱいになった。そして、おっかあを背負ったまま一目散に山を下りた。どんなお咎めを受けても、おっかあを養う覚悟を決めたのだ。
さて、それからしばらくして、隣の大国の殿様がこの国の殿様に難題を出してきた。そしてこの難題に答えられなければ、この国を攻め落とすと言うのだ。その難題とは「灰で縄をなえ」というものだった。息子はこの話を床下にかくまったおっかあにした。するとおっかあは、縄を塩水につけてから乾かし、それを戸板の上で燃やせと言う。
息子は早速これを殿様に進言した。しかし隣国の殿様は、なおも第二、第三の難題を出してくる。第二の難問は「七節曲がった竹の穴に糸を通せ」、そして第三の難問は「打たずに鳴る太鼓を作れ」というものだ。すると、おっかあはこれらの難問も見事に解いて見せた。第二の難問の答えは、竹の穴の片方に蜜を付け、もう片方の穴から糸を巻きつけた蟻を入れる。そして第三の難問の答えは、太鼓の中にクマンバチの大群を入れるというものだった。
これらの答えが、全て年老いた母親によるものと知った殿様は、年寄りの知恵に感心してこれまでの考えを改めた。そして、うばすての風習は無くなり、人々は年寄りをいたわり幸せに暮らせるようになった。
いきなりこれです。
謎の設定がもう怖すぎます。
今の日本だと3500万人ぐらいは山に捨てられる計算になります。
もう逆に山が高齢者だらけ。
ちょっと歩けば高齢者にあたり、それはそれで楽しく暮らしていけそうな気もします。
因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)
昔々、海の向こうに因幡(いなば)の国を望む淤岐ノ島(おきのしま)に、一匹の白うさぎが住んでいた。
この白うさぎ、柔らかい草がたくさんある因幡の国に渡ることが出来たら、どんなにかいいだろうといつも思っていた。
ある朝、白うさぎは海を眺めながら、どうにか因幡の国に渡るいい方法はないかと考えていた。すると、そこにサメどんが海から顔を出した。海にたくさんの仲間がいるサメどんを見て、白うさぎは何かをひらめき、こう言った。
「見たところ、サメどんの仲間の数もかなり多いな。どうだ、数の比べっこをしようじゃないか?」
その方法とは、サメどんの仲間が因幡の国まで一列に並び、その上を白うさぎが跳んで数を数えるというのだ。翌朝、サメどんは仲間を集め、約束通り淤岐ノ島から因幡の国まで一列に並んだ。
もちろん、白うさぎは数比べなどする気など元より無く、これを口実にサメの背をつたって因幡の国に渡ろうとしていたのだ。そんな訳で、因幡の国が近づくと、白うさぎは得意になってこう言った。
「オイラの夢は、この因幡の国に渡ることだったんだ。それでお前さんたちを飛び石がわりにさせてもらった訳さ」
騙されたと知って怒ったサメどんは、仲間たちと一緒に白うさぎを襲い、皮を剥いでしまった。
毛皮を剥された白うさぎが、傷ついた体を休ませていると、そこに二人の旅人が通りかかった。旅人は、傷を治すには海水で体を洗い、風通しのよい岩の上で体を乾かせばよいと言う。白うさぎは言われた通りにしたが、塩が傷口にしみ、痛みはひどくなるばかりだった。
そこへ大きな袋を担いだ旅人がもう一人やって来た。この旅人は、まず川の真水で体を洗い、蒲(ガマ)の穂綿に包まって休むとよいと言った。白うさぎが言われた通りにすると、皮膚から白い毛が生えて、体は元通りになった。
白うさぎを助けたこの旅人は、なんと大国主(おおくにぬし)の神さまだったそうな。その後、白うさぎは因幡の国で幸せに暮らしたという。
サメに皮を剥がれるって。
全身の皮を剥がれるってもう想像したくもないですよね。
かちかち山
むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが暮らしておった。二人の畑が狸にひどく荒らされるので、お爺さんは切り株に「とりもち」を塗って狸を捕まえた。そうして、狸を懲らしめてやろうと、狸を縛って家の台所の梁に吊るしたそうな。
すると、お爺さんが出かけた後、狸はお婆さんが一人で餅をつき始めたのを見計らって、餅つきの手伝いを申し出た。お婆さんが狸の縄をほどいてやると、たちまち狸は杵でお婆さんを殴り殺してしもうた。
お爺さんがお婆さんの亡骸を抱いて泣いておると、以前、二人が傷の手当てしてやった兎がやって来た。お爺さんから訳を聞いた兎は、お婆さんの仇をとることにした。
翌日、兎はわざと狸の通り道で萱を集めておった。すると、狸がやって来て、手伝ってやろうと言って萱を半分背負って歩き出した。ずるい狸は兎が集めた萱で自分の家を建てようとしたのじゃ。
兎は「カチカチ鳥が鳴いている。」と言いながら、知らん顔をして、狸の背中の萱に火打石で火をつけた。萱が燃え上がって、狸の背中は丸焦げになってしもうた。
次の日、狸が仕返しにくると、兎は変装して狸を騙し、火傷の薬だと言って、狸の背中に蓼(タデ)の葉入りの辛子味噌を塗りたくった。これが火傷の傷にばっちり滲みて、狸は飛び上がって逃げ出した。
また次の日、狸が仕返しに来ると、兎はまた変装して狸を騙し、今度は狸を魚獲りに誘った。兎は自分は小さい木の舟に乗り、魚を一杯乗せることができるからと言って、狸を大きな泥の舟に乗せた。
二匹が深い川に舟を漕ぎ出すと、兎は「泥の舟はザックリ砕けろ、えんやこらせ~♪」と歌った。するとそのとおり、泥の舟は水が滲みて砕け、狸は川に沈んで二度と浮かんでこんかったそうな。
こうしてお婆さんの仇を打った兎は、お爺さんと一緒にお婆さんのお墓に手を合わせ、お婆さんの冥福を祈ったのじゃった。
"タヌキの背中は丸焦げになってしもうた"
ってサラッと言ってますけど、丸焦げですからね。
まぁタヌキの背中は仕方ないにしても、そのタヌキですよ。
タヌキは杵でばぁさんを撲殺ですからね。
こんな感じで今読んでみるとなかなか怖いストーリーが多いなぁと。
コンプライアンスとか無視ですもんね。
たまに子供の頃に見たものなんかを見返してみると面白いかもしれませんね。