※もちろん画像はイメージです。
皆さんストレスのない職場で働いていますでしょうか。
ストレスのない職場であっても急にトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
人事異動や転勤など、職場の人間関係が変わってしまうこともあります。
パワハラや労災、長時間労働などの労働トラブルは減っていないのが現実です。
もし自分がそういった労働トラブルに巻き込まれたとしたら?
そんな耐え難い労働トラブルに備えておくというわけではありませんが、面白い裁判を見つけました。
とある郵便局員がヒゲを生やして肩まで髪を伸ばしていました。
その郵便局員は上司から執拗な指導を受けて、さらに人事評価も下げられてしまったそうです。
そんな「身だしなみ」に関する裁判が面白い判決を下しました。
一般的に考えると
「さすがにヒゲでロン毛はダメだろう。」
という発想になるかと思います。
いくら個人の自由だとか、個性という言葉が浸透しつつあるとはいえ、まだまだヒゲでロン毛は不潔とか汚らしいというイメージが根深くあります。
僕の地域では未だに大手飲食店などではヒゲをはやしている人を見ることは少ない気がします。
僕はヒゲをはやしているので、何も思いませんが業種や職種によっては今でもあまり良しとしないところは多いのではないでしょうか。
さてそんな「身だしなみ」について厳しくいう人がいるなかで、上司からの指導をことごとく無視し続けた郵便局員。
マイナス人事評価をされて賃金もカットされ、担当業務を絞られるという仕打ちを受けたそうです。
その扱いに不服を申し立て訴えたそうです。
その結果どうなったでしょう。
「いやいや上司の指導を無視するなんて言語道断」
「会社のルールを守れないなら、その対応は正当なものだ」
「いくらなんでも賃金カットや業務を絞られるのはあり得ない」
と色んな意見があるかと思いますが、裁判の判決の結果は…
地裁・高裁共に、郵便局員さんの勝訴だそうです。
さらに30万円の慰謝料請求が認められたそうです。
判決の詳細はこちら↓
郵便事業(身だしなみ基準)控訴事件(パワハラ) 判例 女性就業支援バックアップナビ
詳細を細かく書くととても大変なのでざっくりとご紹介したいと思います。
まず、ヒゲ・髪型が身だしなみの基準に違反するかについて
裁判所側としては
- どんな服装や髪形にするかは、基本的にその人の自由
- ヒゲや長髪を一律不可とする規則はダメです
- 顧客に不快感を与えるようなものだけ禁止する。ということに読み替えます
- 郵便局員の身だしなみは顧客に不快感を与えるものではない
- 身だしなみ基準に違反していない
という判断になりました。
次に、担当業務を絞ったことと、人事評価を下げたことについて
- 担当業務の指定や人事評価には会社に一定の裁量権がある
- 裁量権を逸脱すると違法
- 郵便局員さんの身だしなみは規則に違反していない
- つまり、郵便局員さんは違反していないのに、担当業務を絞ったことと人事評価を下げたことは違法である
とてもざっくりな感じで解説しましたが、内容はこんな感じです。
意外な判決結果だと思いませんか。
僕はかなり意外だと思いました。
ただ、一ついっておきたいのは、郵便局員さんは髪の毛もヒゲも伸ばしてはいるものの毎日きちんと手入れをしていたということです。
ヒゲを伸ばしてはいるが伸び放題ではなく、毎日きちんと整えていた。
長髪ではあるものの散髪をしており長さを整えていたそうです。
ただ伸ばしただけの髭面ロン毛ではないということです。
これって結構労働者にとってはいい参考になったのではないでしょうか。
実際僕もヒゲを生やしていたいタイプなので、こういう判例があると知ってなんとなく少しだけ強気になれるような気がしました。
いくら組織に雇われている側としても「個人の自由」は尊重されるんだということ。
あまりにも無茶苦茶なことは流石に認められないと思いますが、不当な対応を受けるほどではないということでしょうか。
もし、会社から理不尽な労働トラブルを抱えているなら過去の判例を探してみるというのもいいかもしれません。