9月1日は「防災の日」と先日のブログで書きました。
岸田総理も参加するなど、全国で救助訓練が行われました。
最近、駅や学校、公共施設など様々なところに設置されているAED。
いざという時に、一般市民でも簡単に使える医療機器です。
自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator, AED)
心肺停止の際に機器が自動的に心電図の解析を行い、心室細動を検出した際は、除細動を行う医療機器。
除細動器の一つであるが、動作が自動化されているため施術者が非医療従事者でも使用が可能
ご存知の方も多いかと思いますが、AEDを「女性に対して使用する」ことについて男性の約4割が「使用をためらう」という結果が出ているようです。
過去にAbemaTVでもテーマに上がっていました。
視聴者を全く気にしない、自分の思いをぶつけている感じでとても興味深い内容でした。
興味がある方はぜひご覧ください。
命を守ることが最優先という事はわかっている
何よりも命が大切。
だという事は誰にでもわかっていることです。命の前で性別は関係ないということも。
命があるからこそ、人生を楽しむことができます。
何をするにもまず生きていなくてはできませんからね。
分かっていても歯止めが掛かる
ですが、今の時代を見てみると男性側からするとやはり不安な面もあります。
男性が倒れていたら、男性なら何の躊躇いもなくAEDを使用することができると思います。
しかし、倒れているのが女性だった場合。
そう簡単ではありません。
AEDを使用する際、上半身を裸にしなくてはならないと思っていましたが、実際は下着をずらすなどして、下着を取る必要はないそうです。
それにしても、下着や肌に触る必要があるでしょう。
今の風潮を考えるとどうでしょう。
何でも”ハラスメント”という世の中で、「セクハラ」と言われないという保証はないと考えます。
会社などで男性が女性に対して「髪切ったんだ」と言っただけでセクハラになると聞いたことがあります。
逆だった場合どうでしょう。女性が男性に対して「髪切ったんですね」と言ったとしても、男性の顔に笑顔が溢れるだけで、セクハラ扱いにはならないでしょう。
電車での痴漢でも同じことが言えます。
男性から女性の場合は、非常に厳しい目を向けられる確率が高いです。
しかし、女性から男性の場合、周りは誰も相手にしないでしょう。
周りはハラスメントに囲まれている
僕たち男性は常に「ハラスメント」と隣り合わせです。
最近”見るハラ”というワードも目にしました。
と定義されているそうです。
もちろん、実際にジロジロと下心を持って見ている人もいるでしょう。
ですが、別に女性を見ていた訳ではなく、女性の向こうにある何か。を見ていた場合。
例えば、何かお店を探していて看板を一つ一つ見ていたとか。
全く女性を見ていなかったとしても、女性が”見られた”と感じてしまえば、男性側が何を言っても聞く耳を持たないでしょうし、周りの意見も女性に賛同するでしょう。
もしこの状況で、女性が「警察を呼ぶ!」と言って警察が来て、状況を説明したとします。
いくら男性が「一切見ていません。看板を見ていただけです!」と主張したとしても、「誤解されるような行動は慎むように」と促されることでしょう。
きっと警察の方も、公平や平等という言葉を忘れ、”女性を敵に回してはいけない”という思考になるでしょう。
いずれにしても怖い世の中になっています。
もはや何がハラスメントに当たるのかすらも把握できない状況になっているのかもしれません。
倒れていた相手が女性だという事で、AEDが使われなかった事例はすでにある
倒れていた相手が女性だったためにAEDが使用されなかったという事態が既に起きているようです。
あるスポーツ大会に参加していた女性が、突然意識を失って倒れました。
AEDの設備が整っており、用意はされていたものの、関係者が男性だったことから使用せずに119を要請。
一命は取り留めたものの、女性には重度の意識障害が残ってしまい寝たきりの生活になってしまったという事が実際に起こっています。
女性にAED ためらわないで | 未来スイッチ!課題解決で暮らしやすい社会へ|NHKニュース
このような事態が起こったことで、厚労省は「人命救助のためにAEDを使用した場合、悪意や重過失がない限り刑事、民事ともに責任を問わない」と発表していますし、各弁護士の方々も「訴えられる心配はない」と仰っておられます。
ですが、まだまだこうした部分が認知されていないという事が事実です。
データとしても明らかになっている
京都大学などの研究グループが2019年に発表した報告によりますと倒れた人が女性の場合、男性よりAEDが使われにくいデータ*1が明らかになっています。
日本では多くの人が心臓突然死で命を失っており、その数は年間に約7.9万人にも上るそうです。1日換算すると約200人。7分に1人が心臓突然死で亡くなっています。
日本AED財団によりますと、AEDを使用した場合約6倍の命が救えるそうです。
心停止の状態で放置してしまうと、1分経過するごとに約10%ずつ救命率は低下していくと言われています。
現実は残酷だ
Twitterなどを見ると「そんなこと気にしないので使ってほしい」「命が懸かっているのに”ためらう”ってどういう事!?」など『命のために気にせず使ってほしい』という声が多数見られます。
”AEDを使ってほしい”
”AEDを使われることに抵抗はない”
という女性の数はなんと14%
86%の女性は「AEDを使われることに不快を感じる」*2と言っています。
これが現実です。
もし、帰宅途中に女性が倒れていたとします。その女性が『AEDを使われても気にしない人』である可能性が非常に低いともいえるわけです。
この現状の中で、『男性が女性にAEDを使う人』は何%いるでしょう。
政府や医療関係者などがいくら「使うべき」と発信しても、使われる側の女性が変わらないのであれば何の意味もないのではないかと。
使うべき、使わなければならない。という事は頭でわかっていてもやはり後が怖い。そう思ってしまうのではないでしょうか。
『私はAEDの使用OKです!』みたいなバッチを付けてもらうとかしないと、男性としては自信を持って使用することは困難だと思います。
何とか別の方法や、改善策があればいいのになぁと思いますが僕自身にも思い浮かばないので困ったものです。
ちなみにですが、僕の奥さんにこの話をせずに
『もし自分が意識を失ってAEDが必要な状況だとなったとして、周りに男性しかいない。それであってもAEDを使ってほしい?』
と聞いたところ。
『使ってほしい』と言っていました。
『下着を取られて、胸を見られるかもしれないんだよ?』
(ちゃんとした本音が聞きたかったので、わざとちょっとオーバーに説明しました)
『それでも、命に関わらることなので、全く関係ない。見られてるかどうかわからないし。』
という返答でした。
さっきのデータで行くと僕の奥さんは14%の内の一人という事になります。
僕の奥さんはたまたまそっち側でしたが、皆さんの奥様や彼女さん、または娘さんはいかがでしょう。
別にどっちだったからと言ってどうこうはありませんが、もしマジョリティだった場合は少しお話してみてはいかがでしょうか。
少しでもマイノリティをマジョリティにすることで、もう少し日本も変わっていくのではないでしょうか。