実は若者と年配者の記憶力には差はないそうです。「年をとるほど忘れやすくなる」というのは誤解だという事実。

最近物忘れがひどくなった。

物事が覚えられなくなった。

 

そういう人っていますよね。

何を隠そう僕もその中の一人になりつつあります。

「そういえばあれなんだっけなぁ…前に見た記憶はあるんだけど…」

何てことがたまにあります。

 

「年をとると忘れやすくなる」ということをよく耳にしますが、実はそうではないそうです。

これが結構面白い内容だったので、ぜひ読んでみてもらえたらと思います。

 

 

実は若者と年配者に記憶力の違いはない

「80代になると、認知症の有病率が60代の12倍」

という事は聞いたことがあるかと思います。

 

脳の寿命を延ばすためには、60代から70代にかけてとにかく『脳』を使い続けることが大切だそうです。

 

筋肉を使わないと筋力が衰えるのと同じように、脳も使わないと衰えていくと言われています。

老化に対して一番顕著に出るのは、体のこともそうですが、「記憶力」も同じように衰えると言われます。

一般的に「年を重ねると記憶力が低下する」とよく聞きますが、実は脳の機能自体は75歳ぐらいまではほとんど衰えないことがわかっています。

脳の機能が低下するのではなく”覚えようとする意欲”が衰えるため、「記憶力が低下する」と言われているのだとか。

 

 

アメリカで記憶力の実験を行った結果…

アメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学のトーマス博士が記憶力に関する実験を行いました。

 

18歳~22歳の若者、60歳~74歳の年配者をそれどれ64人ずつ集めて、多数の単語を覚えてもらった後に、別の単語リストを見せて、その単語が元のリストにあったかどうか。を尋ねました。

 

その際、事前に「これはただの心理額実験です」と説明していた時には、若者と年配者の正解率はほとんど変わりはありませんでした。

ところが、テストの前に「この記憶実験では、高齢者の方が成績が悪い」と伝えた時のテストでは、年配者の正解率のみ大幅に低下したそうです。

 

つまり、この実験では”フラット”な状態では若者と年配者の記憶力に大差はないが、「高齢者の方が成績が悪い」という先入観を植え付けられてしまうと、年配者は記憶する意欲を失ってしまい、一気に”記憶力”を減退させたということになります。

 

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覚えようという意思がとても重要

若いころのことを思い出してみてください。

英語の勉強で英単語を覚えることがあったと思います。その時に、単語帳や単語カードを何度もめくって、ぶつぶつと覚えた経験があると思います。

モノを覚えるという行為はそれぐらい必死にしなければ、物事を覚えることはできないそうです。

 

社会人になった今、そこまで必死に何かを覚えた経験はありますでしょうか。

僕は一切ありません。

見た、読んだだけで覚えた気になっているだけです(苦笑)

 

もちろん、そこまでの努力を常に行っている方もおられると思います。

ですが、きっとマイノリティではないかと思います。

つまり、覚えようと努力をしない限り、「最近、物覚えが悪くなった」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」という事はごくごく普通のことだと言えます。

 

努力を怠ると『廃用現象*1』が置き始めるそうです。

上述した「筋肉を使わないと…」というのと同じことという事です。

 

ヤクルトのタフマン伊東家の食卓などでお馴染み、俳優の伊東四朗さんは70歳を過ぎて「百人一首」の暗記に挑戦したそうです。

 

これだけ長いこと俳優をやってこられた方でも70歳を過ぎると思うようにセリフが覚えられなくなってきたそうです。

そこで、記憶力を鍛えるために「百人一首」暗記を始めたそうです。

 

脳科学でいえば、これは「廃用現象」を防ぐ賢明な方法だそうで、「百人一首」ほど、覚えにくいものはないそうです。

“古語度”が高く、意味が取りにくい。記憶の入力、定着ともに難しい素材のようで、記憶力を鍛えるのにはうってつけだそうです。

 

 

 

21世紀の新常識・脳はいくつになっても鍛えられる

 

「脳は、いくつになっても鍛えることができる」

21世紀になってから、脳科学的に立証された新常識です。

 

20世紀までは、専門家の間でも、「脳の神経細胞は、成人になってからは減る一方で、増えることはない」と信じられていました。

そのため、専門家たちも「大人になると、記憶力は低下する」と思われていました。

ですが、2000年にこの常識は覆されました。

 

イギリスのロンドン大学の認知神経学研究者のマグワイヤー博士

「脳の神経細胞は、大人になっても増えることがある」と報告*2しました。 

 

マグワイヤー博士は日頃、ロンドン市内を走るタクシー運転手の「記憶力」に関心を持ていました。

「彼らタクシー運転手は、なぜロンドン市街の複雑な裏道や路地を記憶できるのか。」

と不思議に思っていたそうです。

そこでマグワイヤー博士は、タクシー運転手と一般人の脳の比較研究を始めました。

すると、タクシー運転手の脳の「海馬*3」が一般人に比べて大きく発達していることがわかりました。

 

ベテラン運転手ほど「海馬」の発達の度合いは大きく、タクシー運転歴30年を超える大ベテランは「海馬」の体積が3%の増えていたそうです。

 

本当にすごいですよね。

脳を鍛えることで認知症を遅らせることや、改善することができるとしたら・・・

脳を動かすことは人間の特権ともいえるものです。

その脳を使わずにいるなんて勿体ないことだと思います。

よく考えるのを辞めたことを、「思考停止」などと言いますが、本当に思考停止になってしまっては、老化のスピードを自分で速めてしまっているとも言えます。

 

どんな些細なことでも考える。

何かど忘れした時には、すぐに調べるのではなく自分で思い出す努力をする。

 

こうしたことを積み重ねることで、健康な脳を維持できる確率は上がるかもしれませんね。

 

 

同じ脳関連の話ですと、「人間は脳の10%しか使っていない」という説がありますが…

実際どうなのでしょう。

 

それについてはまた後日書いてみたいと思います。

 

1日5分朝の脳トレ習慣 30日で脳がみるみる若返る [ 篠原菊紀 ]

 

 

 

*1:過度な安静が長時間続いたり、活動性が低下することで、筋力の低下や心肺機能の低下、うつ状態など体に生じた様々な状態のこと

*2:タクシー運転手の海馬におけるナビゲーション関連の構造変化

*3:神経細胞の結合をつくる役割を果たしていると言われ、短期記憶から長期記憶へと情報をつなげる中期記憶を担う器官