鳥と魚と僕とポーク

実るほど頭を垂れる稲穂かな

私たちはゴキブリの進化を助長しているかもしれない。

ゴキブリが好きだ。

 

という方は比較的少ないと思います。いくら時代が変わってきたからと言っても、そこは揺らがぬ事実でしょう。

今も昔も嫌われている虫の代表格ゴキブリ。

いえ、虫の代表というよりも最も嫌われている生物の代表といっても過言ではないのでしょうか。

 

嫌われる要因は色々あると思いますが、1番の要因は

 

見た目が気持ち悪い

 

だそうです。

確かにあの黒光した感じは気持ち悪いですよね。

でも、見た目だけで言えばカブトムシだって黒光してると思うんですが、カブトムシは子供の頃から人気昆虫の一人ですし、種類によっては高値で取引されていたりもしますよね。

 

何が違うんでしょう。

 

他にも足が速いというのもあるようですが、確かにあの高速移動はかなり怖いです。

ウネウネ動く触覚も気持ち悪いですしね。

 

ちなみにゴキブリの速度は人の速度に換算すると時速約160kmぐらいだそうです(笑)

 

 

殺虫剤がゴキブリを進化させている

さて、本題に戻りまして。

ゴキブリが出た時には迷わず殺虫剤をかけますが、一部のチャバネゴキブリが殺虫剤に対する耐性を持ち始めているという研究成果がアメリカの大学で出てきているそうです。

というのも、カリフォルニア州の住宅で採取したチャバネゴキブリには、一般的に使われている5種類の殺虫剤に対して生き残る個体がいたそうです。

 

世界には4500種類を超えるゴキブリが確認されているそうですが、

「殺虫剤への耐性を持っていることが確認されたのはチャバネゴキブリだけ」

だそうです。

このことが、害虫の進化を助長しているともいえるそうで。

 

 

 

殺虫剤を使えば使うほどゴキブリは強くなる

同じくカリフォルニア州の4つの都市に生息するチャバネゴキブリがエサタイプの殺虫剤にどう反応するかを調べた。

アメリカではこのエサタイプが一般的らしく、最も使用されているようです。

 

これは日本でも同じかと思いますが、ゴキブリ退治を業者に依頼するのではなく、家庭用の殺虫剤の使用量が増えると殺虫剤に対しての耐性を持つゴキブリが生き残り繁殖してしまい、さらに耐性の強いゴキブリが生まれるという負のスパイラルに陥っているそうです。

 

これは参った話です。

殺そうと思ってやっていることがかえってゴキブリを育てている。みたいなことになっちゃってるという何とも残酷な現実です。

 

 

八方塞がりの状況にどう対応するか

殺虫剤をまけばまくほど強くなるゴキブリ。

その解決策はどうすればいいのか。

一番の解決策は化学物質ではなく、多角的な害虫管理対策だという。

 

例えば、使用する殺虫剤を常に同じものを使用するのではなく定期的に変更するなど。

他にも台所や浴室などゴキブリが大好きな場所を常に清潔かつ乾燥した状態に保つことも大切だという。

ペットを飼っているご家庭に注意していただきたいのは、ゴキブリはペットフードが大好きなので、ペットフードを密閉容器に入れておくという事も重要。また、ペットにエサを与える時は容器を床から離したり、周りに水を入れる溝がある容器を使用すればゴキブリが容易に近づきにくくなるそうです。

 

 

超絶嫌われているゴキブリが人間の力になる。かも。

きっと世界の7割以上の人が嫌いであろうゴキブリ。

ですが、実はゴキブリは自然環境に有益な役割を果たしていることも忘れてはいけない。

ゴキブリは熱帯雨林にある落ち葉を分解する”掃除屋”として活躍している。

花の授粉を手助けするゴキブリや、子育てに熱心なゴキブリもいるそうです。

 

 

今後はゴキブリの体内にある微生物を調べることで、ゴキブリが持つ耐性の生物学的メカニズムを研究する予定がだそうです。

汚染された環境で生き残ることができるゴキブリは、最強の最近すらも死滅させる分子を体内に持っているため、ゴキブリの研究をすることで人間にとって有益な情報を得ることができるかもしれない。

 

人間にとって薬剤耐性は重大な問題になっていますが、ゴキブリの体内で細菌を殺すメカニズムを知ることができれば、この問題に対処できる可能性があります。

細菌感染症で年間約1700万人の方が命を落としていますが、このメカニズムの解明によって私たち人間の命を救う大切な存在になるかもしれません。

 

嫌っていたゴキブリに感謝する日がいつか来るかもしれませんね。